自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2021年2月24日水曜日

「ブアウ」


ブアウ

ベトナムに伝わる悪魔、魔物の一種。ブアウは、頭が無い人間の男性の姿をしている。世界に人間が現れて間もない頃、ある一組の人間の夫婦がいた。夫が海に出かけると、物陰からブアウが現れ、妻を引っ掴んで、そのまま茂みに連れ込んだ。そして、夫婦の家からかなり離れた所で、ブアウは妻の背中に膠の様なネバネバしたものを塗り付けて、そのまま妻を岩に貼り付けてしまった。何も知らない夫が家に帰って来ると妻の姿がない。夫は方々を探し回り、ようやく妻を発見して助けようとしたが、妻の背中に塗り付けられたネバネバした「悪魔の膠」はびくともしなかった。そこで夕方、夫はブアウの通る道に罠を仕掛け、その罠でブアウの足を絡めてブアウを捕らえた。夫は捕らえたブアウから命を助ける代わりに、「悪魔の膠から離れられる薬」を取り上げると、そのままブアウを斬り殺してしまった。それからしばらく経って、妻は子供を産んだが、その産まれた子供はブアウとの間の子供であった。その子は産まれるとすぐに妻の乳房に吸い付いて離れなくなった。この子供は恐ろしく醜かったが大変利口で、産まれた直後から口を利き、様々な物の名前を知っていた。ある時、夫は子供にバアングの木の名前を聞き、子供が答えようと口を開けた瞬間、子供の頭を剣で真っ二つに斬った。すると、子供の肉片は蛭になった。また、ブアウは、戦争で殺された男性の幽霊・怨霊であるとも言われており、頭が無い男性の姿をしている。

出典:
神様コレクション
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
ブアウのデザインは、頭の無い人間の様な姿の魔物に描きました。

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