トヨール
マレーシアで伝承されている、死んだ赤ん坊を呪術師が吸血使い魔に変化させた存在。トヨールの外見は頭が大きい赤ちゃんの様で、白濁した眼と緑色の肌を持つ。またトヨールは大きな耳を持っているという伝承もある。呪術においては、黒魔術師が闇で売買される死んだ赤ん坊を材料にして、ミイラの「トヨール像」を作成し、このトヨール像に毎朝コップ一杯のミルク(もしくは呪術師の関係者である女性の母乳)を捧げる事で、使い魔のトヨールを使役する事が出来ると信じられている。またトヨールは赤ん坊が素体なので、おもちゃやお菓子を捧げるのも良いという。また、黒い蝋燭を掲げて、香を焚きながら呪文を唱えると共に、呪術師自身の血をミイラの「トヨール像」にかけてやると良いとも言われている。また、呪術師の関係者が新婚の場合は、 夜明けに新婦の足の指からトヨールに血を吸わせる事で、そのトヨールをより上位の使い魔にする事が出来るとされている。呪術師によって使役されたトヨールは、どのような場所にも侵入し、相手の人間に悪戯をする。ひどい時には相手の人間を殺害する事もある。またトヨールは侵入した場所から金品を盗む事も出来るので、トヨールを使役する呪術師はどんどん金持ちになっていく。このトヨールの窃盗には、金品の下に針を置く、もしくは鏡の下に金品を置くという対策をとると良い。トヨールは針や鏡を恐れて金品に近づけない為、被害を予防出来るとされている。トヨールと呪術師の契約が切れた場合には、呪術師がトヨールを墓地に埋めたり、海に遺棄する事が多いという。実際ビンに入った真っ赤な目を持った「トヨール像」が漁師によって発見され、マレーシアの州立博物館に寄付されたが、関係者の周囲で不幸が続いた事から、呪術師の助言で「トヨール像」は再び海に廃棄されたという。
出典:
ピクシブ百科事典
作者ひとこと:
トヨールのデザインは、頭の大きい赤ん坊の姿の魔物に描きました。
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